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第7回講座「水の話、ダムの話」実施リポート

第7回講座 水の話、ダムの話 実施リポート 

紅葉真っ只中の10月17日、国土交通省大町ダムで講座「水の話 ダムの話」を行いました。

まずは大町ダム管理所の長谷川修所長より、現在の地球温暖化による平均気温の上昇や降水量の増加、それによって災害リスクの増加などについて話して頂いた後、大町ダムについてご講義頂きました。
 

(写真は長谷川所長)
近年、ダム建設については環境への配慮等から新たに作るのは難しい状況になっており、今あるダムを利用する傾向にあります。
ダムにも、発電・水道用・農業用水用等様々な種類があるが、大町ダムはこれらを総合した「多目的ダム」。
昭和44年8月に起きた高瀬川の大洪水を契機に昭和61年3月に完成しました。


ちなみに「高瀬川」の名前の由来ですが、900年前の平安朝中期、豪族仁科氏が安曇野の地を京都にまねて、碁盤の目のような町並みを作り、町の西側を流れる川も、京都に流れる「高瀬川」から名前をとり、そのまま付けたそうです。

ダムの目的には、①洪水調節②水道水の確保③農業用水等の安定供給④発電があります。
大町ダムでは、高瀬川の水が無くなった時や青木湖の水位が下がった時、ここで貯めた水を使っています。
洪水期(6/1~9/30頃)は水位を下げ、大雨が降った時に水をダムに貯めこむ事もします。洪水期が過ぎれば水位は戻します。



洪水調節の効果として、平成18年7月に発生した大雨時、犀川の水位が上昇し川から溢れそうになった事がありました。その時大町ダムでは貯められるだけ水を貯めこみました。(東京電力にも協力をしてもらった。)
その結果、安曇野市の陸郷付近で水位が80センチほど下がり、堤防から水が溢れる事はありませんでした。

また昭和電工が電力発電の為の取水による青木湖水位低下について、過去最大で、21mほど水位が下がった事もありました。その時には大町ダムの水が減らし、高瀬川に水を流してそれを昭和電工に使ってもらい、そのかわり青木湖の水位が下がらないようにしました。その結果現在では平均7m減位にとどまっています。

この他松川村のマレットゴルフ場付近では、瀬切れが激しく、魚が死んでしまっている事がたびたびありました。大町ダムではこうした状況が発生する前に放流を行いますが、瀬切れ付近までの距離が18キロもあり、時間にすると35時間もかかってしまいます。土地改良区と昭和電工と共に協議をした結果、水路を通し水を送りこみ、その結果瀬切れ発生から約2時間後には水が到達しました。

大町ダム建設時に、ダム建設地周辺には、葛温泉まで湯治に行く道「湯道」がありました。その湯道沿いには石仏が置かれていましたが、ダム建設により道の一部が沈没してしまう為、その27体の石仏はエネルギー博物館に移設されました。ダム周辺には石碑が多く全部で13箇所もあるそうです。周辺を散策してみるのもおすすめです。

お話の後は、いよいよダム内部を見学。

ダム管理所の地下からダムの監査廊に入ります。ここはコンクリートの長い廊下が続き、ひんやりとした空気。
管理所の下からダムまで続いているとは驚きました。
ダムの方によると、「あちこちに自動でしまってしまうドアがあるので、離れると閉じ込められてしまいます。」とのお話がありました。

エレベーターを使い、地下4階へ。


まずはコンジットゲートを見学。ここは通常雨が降った時に、洪水を調節するゲートです。よく「大町ダムが放流します」と放送が聞こえる事がありますが、その時はここが開きます。
ダムの水は東京電力の発電にも使われているので、隣接されている東電の発電所を経由して放流します。
大町ダムは、高さ107m、横幅338mで、中規模位のダムです。



コンジットゲートのはるか上に見えるのは、クレストゲートと呼ばれています。ここは、大洪水が起きた時に開くゲートです。
まだ一度も使われたことはないそうです。

次にコンジットゲートの中へ。
これはゲートの一部です。
見た感じは天体望遠鏡のよう。
ゲートの上の部分です。


こちらはゲートが開く部分です。
ここが開くと水が一気に放流されていきます。
ゲートは油圧を使って開きますが、とても巨大なものでした。



 ダム上部です。
ここは見晴らしが良く、ダムから東を見ると遥か遠くに大町市内も望めます。


反対側の山を見ると北アルプスを望めます。あまり知られていませんが、ダムの南側のニの沢広場という所までは散策できます。(片道約30分程)途中、シャクナゲの群生地もあるそうです。


約2時間半、大町ダムを満喫しました。
参加者の方も「地元に住んでいてもなかなか来る事がないので参加したが、とても勉強になった。」とおっしゃっていました。
大町は黒四ダムが有名ですが、この他にも、高瀬ダム、七倉ダム等いろんな種類のダムがあります。この講座に参加してみて初めて知った事が沢山ありました。
実際に足を運んでみるとダムの役割や構造が理解できて勉強になります。ぜひ皆さんも見学にお出かけください。